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『世界のアートな木の玩具展』のカタログに

arttoys

北アルプス展望美術館で開催された『世界のアートな木の玩具展』のカタログで、
東京造形大学の春日明夫教授により紹介していただきました。
とても嬉しいことを書いてくださっています。ぜひご覧くださいませ。

■日本の現代オートマタ作家

日本にもオートマタやからくり玩具作家はいます。
日本のオートマタ界の第一人者であった西田明夫は、残念ながら2009年2月に他界しています。
それまでの間、日本のオートマタ界を牽引してきた功績は大きいものがあります。
西田の作品の特徴は、遊び心を生かしたオシャレな感覚です。
また、そのキャラクターが無国籍的であることです。
そのため何処の国に行っても通用するデザイン性があります。
さらに、西田作品の多くにはオルゴールが使用されています。
ハンドルを回転させると、ユーモラスな動きに加えてステキな音色が楽しめることです。
西田は、生前中に多くの若手作家を育てたり、影響を与えたりしました。
その中の一人に原田和明がいます。
現在、原田は西田亡き後の後継者的な役割を担いながら、意欲的に活動しています。  

原田のオートマタ作品は、初期は西田のように優しさや暖かさを感じながらも、
ユーモア溢れるオシャレな作品が多くありました。
しかし、最近では可愛さや優しさというよりは、むしろ実験的なオートマタに挑戦しています。
例えば、モチーフのキャラクターが優雅に動くというよりは、キャラクターそのものが無く、
機械仕掛けのような装置を楽しむような作品、しかもそこには驚くようなユーモアやブラックが隠されている、
いわば哲学的な作品も制作しています。
さらに、イギリスのオートマタ作家や国内の作家の作品を展示する企画・運営も行い、
オートマタの素晴らしさを意欲的に広めています。本展では原田の初期作品や代表作も展覧できます。

2013-08-12 | Posted in Blog, メディア紹介