Blog, 世界のオートマタ情報

ピーター・マーキー展


Falmouth Art Galleryで開催される
ピーター・マーキー展の
プライベート・ビューに行ってきました。
現在、ウェールズにお住まいの
ピーターさんは1930年、Swanseaに生まれました。
地元のアート・カレッジを卒業後、25年間美術教員として
ロンドン、それからコーンウォール州ファルマスで勤めたのち、
創作活動に専念することとなります。
ピーターさんは、教員だったときから
すでにオートマタの実験を始めていました。
当時はオートマタではなくモビールと呼んでいたそうです。
1979年、クラフトショップ『キャバレー』に
初めてオートマタ作家としてスカウトされました。
その後、『キャバレー』はオートマタの殿堂
『キャバレー・メカニカル・シアター(CMT)』となります。
ファルマスのオートマタの父、と見なされている
ピーターさんだけあって、プライベート・ビューの
会場にはCMTのサラ・アレキサンダーさん、
ポール・スプーナーさん、キース・ニューステッドさん、
カルロス・ザパタさん、ロドニー・ペッペさんなども
お見えになっていました。
嬉しいことに、直接ハンドルを回せるように
展示されてあったので、もちろん全て楽しんできました。
ピーターさんは基本的なメカニズムを用いつつも、
パーツのつなぎ方に工夫を凝らしているので、
予想以上に色々なところが動き、それが
大胆な造形と鮮やかな色彩をより魅力的にします。

今回の展覧会には、オートマタだけでなく、
絵画作品も展示されていました。
絵画は、単純化された風景や静物が
落ち着いた色彩で描かれており、オートマタとは一転して、
静穏な雰囲気です。
ある風景を見て何を面白いと思ったか
がストレートに表現されている素朴な画面から、
お人柄まで伝わる思いがします。

ピーターさんご自身のスピーチがあり、
作品から想像した通りのピュアな方だったので、
ますます作品が好きになり、木立と湖を描いた作品を
1点購入することにしました。
ポール・スプーナーさんの奥さんに
ピーターさんを紹介していただきました。
「あの絵を選びました。」と言うと、
「あれは一番最近の作品で
日本画にインスパイアされて描いたものなんだよ!」と
目を丸くされていました。
「日本には精巧なカラクリがあるよね!僕のは、すごくシンプルだけど。」
とおっしゃるので、
「実を言うと、僕らのはもっとシンプルです。」
とこたえると、
「お~、僕達は仲間だ~!」と言いながら
頭を抱き寄せて、頬にブチュッとキスしてくれました。(笑)
展覧会のカタログにサインをお願いすると、
子どものように床にしゃがんで
子どものようなサインをしてくれました。

ずっと大切にします。

2007-10-04 | Posted in Blog, 世界のオートマタ情報